2001年06月14日


逃げ場の無い西風。
今まで、風は音楽と同じ様に、「強弱」の中から生まれてくると信じていました。
でも、「この風は強、強・・・。」と途切れる事無く吹きます。
さえぎるものが無いと、地平線の彼方から、黒い土埃とともに一気にやって来るのです。

 風は波打つ大地で、緩やかに続く丘を越え、谷を下る。
そして、右の頬を突く。
首に巻いた風除けマフラーは、左に激しく流れる。
畑で、大豆を播種するトラクターの巻き上げる、黒い土埃は、帯となり大地を走る。

 すこし、風が弱くなってきた。
「あっ。」この風も強弱の中に在ったのだ。
波長が、今まで理解していた風よりも、とてつもなく長いことに気付く。
そんな事を教えてくれる、「風の大地です。」


「青葉風 ロマン奏でる 満州路。」 
                辰