2020年12月22日

蔵頭ブログ-7


みなさん
すっかり寒くなってきましたが
如何お過ごしですか

野田味噌商店の
『蔵 頭』
高橋です



今回は
味噌の仕込みについてです

仕込み?
酒造りの世界では寒仕込みといって
寒い時期に仕込みをおこなっていますね

これは
寒い時期だと「雑菌が少ない」、「温度を下げるのが容易なこと」が理由です
*最近は管理能力が上がった影響もあり通年で仕込む酒屋も増えてきましたが
ただ私たちは味噌の仕込みは1年中おこなっています
味噌屋になる前は酒造りをしていたので最初びっくりしました。

理由は
味噌の品質(味・香り・色)は
熟成によって違いが出ます

今年は寒いから仕込みを1ヶ月やめたとします
月日は流れ 2年後 味噌を出荷する時に前回出した味噌と今回出した味噌
1ヵ月も熟成期間が違うと全然違う味噌になってしまいます。
同じ商品なのに色が違ったり 味が違ったり・・・

 
すごく美味しい味噌を造るのは目標でもあります
でも
食品メーカーとして
たまに美味しいものを作るのではなく
常に安定して、美味しい味噌を作らなければなりません
NO.1ではなくて only one です


みなさんに安心して食べてもらえるように
これからも味噌を造り続けていきます

味噌造りには終わりがないんです
この地方は三河なので尾張ではないですが・・・

次回は仕込みに使われている 木桶についてお話しますね
OK(桶) ですか?
では 次回お楽しみに!


有ること難し。 店主


2020年12月10日

蔵元写真館「追憶」47


仕込み味噌桶の積み込み風景

委託加工が昭和40年当時までは、一番重要な業務でした。
愛知一円の農家より預かった桶に味噌を仕込み、熟成は各戸で行います。
「手前みそ」といわれるように熟成状況により
それぞれ異なった味噌が仕上がります。



委託加工の仕込み味噌の出荷風景(1960~1965)


有ること難し。 店主


2020年11月19日

【2021年】 1月度みその学校~手作りみそ教室のご案内



東京・代々木での手前みそ教室2021年1月度の開催日は、1/16(土)、1/17(日)になります。
*1/17(日)午前クラスはお子様もご参加可能、1/16(土)午後クラス&1/17(日)午後クラスは大人の方限定
仕込んでいただく味噌は、熟成期間が短めの米みそ(白みそ)と長期熟成型の豆みそ(赤みそ)からお好きな味噌を選んで下さい!
特に東京で本物の豆みそ(赤みそ)の仕込みが体験できるのは、間違いなくここだけです!

尚、2021年度最初の手作り味噌教室(愛知・豊田)の開催日が決定です!
「みその学校~手作り味噌教室」の開校日は1月16日(土)です!
*コロナ対策は継続しながら開催させていただきます(リピーターの方は材料の直売店での引き渡しも可)


2021年 1/16(土)、17(日)味噌作り教室@東京/代々木
内容 申込み https://temaemiso-susume.com/event/3224/


2021年 1/16(土)みその学校~手作りみそ教室@桝塚味噌
内容 申込み https://temaemiso-susume.com/event/3234/


2021年1/16(土)リピーター向け味噌作り教室@東京/代々木
内容 申込み https://temaemiso-susume.com/event/3245/


有ること難し。 店主


2020年11月12日

蔵元写真館「追憶」46


室(製麴室)に味噌玉(豆麹)の引き込み、そして雪の日の風景

自家製の室では人力がすべてでした。
温度管理から製麴状態の確認まで昼夜行われていました。
ほっとした合間、雪の日の蔵人たちは良い顔をしています。



室(製麴室)に味噌玉(豆麹)の引き込み(1960~1965)


有ること難し。 店主


2020年11月11日

『樽と桶の違い』&『柾目と板目』



家庭用の味噌仕込み容器『クラフト木桶』の開発でもお世話になっている久田さんの工房へ、蔵人を連れて樽や桶について勉強に行ってきました。

普段味噌屋として使う木桶は大桶と呼ばれる大きなサイズで日本から残念ながらこのサイズを作る職人さんはいなくなりました。



とはいっても、もう少し小さいサイズの桶や樽を作る職人はまだ全国に残っており今回お伺いした樽藤さんも前の師匠の時代から長年桝塚味噌がお世話になっています。

今回は少し用事があったので蔵人を連れて工房にお伺いし、色々勉強させていただきました。

せっかくので復習もかねて何回かに分けてまとめていきます。


樽と桶の違い


普段「樽」や「桶」という言葉はけっこう曖昧に使われています。

味噌桶?味噌樽?

現在は明確に使い分ける事はあまり無いですが、私たちは道具としても使っているものなので少しでも正確に・・・



基本的には以下の2つの要素で呼び分けられる事が多いです。
1.構造上の違い-固定された蓋があるかないか?
蓋があるもの=『樽』*蓋がないものを作ることが多いと樽屋
→日本酒樽、ワイン樽は蓋がありますね
蓋が無いもの=『桶』*蓋があるものを作ることが多いと桶屋
→ふろ桶、すし桶は蓋がありません

2.製法上の違い-底が入る付近から大きくカーブがかかっているかどうか?
大きくカーブがある(曲線のフォルム)=『樽』
→ワイン樽って外側がカーブしてるイメージありますよね
同じ割合ですぼまっている(直線的なフォルム)=『桶』
→味噌桶とか大きなカーブは無くすぼまっている感じ



上記2つは形や見た目で判断できる部分なのでわかりやすいです


用途で違う木材の使い方


樽や桶を使ったり買う時に実は一番気を付けないといけないのは実は木材の取り方です。

木材はなんとなく製材しているわけではなく、目的や用途によって丸太から製材する時の取り方がかわります。



大きく分けて2通りの木材の取り方があります。

柾目(まさめ):木材の長い辺に対して年輪が垂直になるようにとった木材

板目(いため):木材の長い辺に対して年輪が平行になるようにとった木材

実はそれぞれ桶や樽にした時に出る特徴が違うので用途によって使われる木材が違います。

柾目を使用した樽や桶
→水分を容器の中から逃がしてあげる事ができ、寿司桶やおひつなどでご飯を長く美味しく食べるために使われる
→外側に年輪が縦に入る点など見た目的な要素で工芸品などに使われる

板目を使用した樽や桶
→水分が外に漏れる事が少なく、密閉性が高いので味噌・醤油・酒などの熟成容器に使われる
→年輪が平行に入っている数によって固体(みそ)、半液体(醤油)、液体(酒)など中身を入れ分ける事も

つまり呼び方が樽なのか桶なのかは別にして用途や目的によって材質が違う!という事です。

ここは非常に重要なポイントなので樽や桶などの購入を考えている方はしっかり認識した方がいいです。


有ること難し。 店主