2023年09月01日

蔵頭ブログ-39


立秋もすぎ暦の上では秋なのですが
まだまだ暑い日が続いています
いかがお過ごしですか?
『蔵 頭』 です
前回は速醸法の特徴について話をしました
今回は私たちますづか味噌でおこなっています天然醸造について話していきますね



天然醸造は
人工的に加温や温度調節をせず、自然の気温変化で発酵熟成をおこなうことを天然醸造といいます

では
天然醸造のメリットとは
・様々な酵素が反応し風味・旨味が多い味噌になる
日本には四季があり年間を通して暑かったり寒かったりします
酵素も様々いまして
温かいときに活動するものもいれば、なかには寒い時にしか活動しないものもいます
速醸法のように一定の温度で熟成をしていると
限られた酵素のみで発酵します
天然醸造ですと高温から低温域で酵素反応がおき様々な発酵生成物が生成され
風味や旨味に富んだコク味の強い味噌ができ上がるのです

デメリットとは
・熟成に長期の日数が必要です
温度変化があり発酵がゆっくりのため味噌ができるまでには時間がかかります
・熟成中の味噌桶の広い保管スペースが必要です
味噌ができるまでに時間がかかるため仕込む桶・熟成中の桶・出来上がった味噌の桶と
桶の数がたくさん必要です。またそれを置く蔵がなければなりません。
・桶内の熟成状態が不均一
桶の上部と下部では硬い軟らかいの違いもありますし桶肌に近い部分と中心部では
熟成状態の違いがあります
このように天然醸造で味噌づくりをおこなっていくことは熟成に長い時間がかかるので管理をしていくのはとても大変です。
しかし私たちが一番大事にしている高品質な味噌は天然醸造でなければできません
美味しい味噌をつくるため妥協せずに取り組んでいるのです

次回は
天然醸造と速醸方法で使う桶について話をします。
お楽しみに!!!


2023年07月27日

蔵頭ブログ-38


暑い日が続きますがいかがお過ごしですか?
『蔵 頭』 です

今回は
天然醸造と速醸法の違いをはなしていきますね

味噌メーカーは全国に1000件ほどあるといわれています
そのなかでも9割以上のメーカーは速醸法で味噌づくりをしています



速醸法のメリットとは
① 短期間で味噌ができ上がります
米味噌はもともと早く仕上がりますが、
時間がかかる豆味噌でも半年くらいででき上がります
② 熟成中の味噌の保管スペースを少なくできる。回転率が良い
熟成期間が短いため早く味噌ができ回転が早くなります
よって少ない桶、狭いスペースで製造ができるということです
③ 桶内での熟成状態が均一
蔵内の温度を一定にするため桶の中の温度が一定になり
熟成状態も一定なります。
しかも速醸法はステンレスの桶で仕込まれることがほとんどのため
熱伝導が早いのも特徴です

デメリットとは
熟成中の温度域が狭いため生成する発酵生産物も単一化しやすく
風味や旨味が劣りコク味が少ない味噌になりやすくなります

蔵のスペースが狭く、桶の数も少ないので速醸法で
味噌づくりをおこなっているメーカーもあると思いますが
早く味噌を作ることで回転させ減価償却するのも大事なことのひとつになります

次回は
天然醸造の特徴をお話しします
お楽しみに!!


2023年06月22日

蔵頭ブログ-37


みなさん こんにちは
暑い日が続きますがいかがお過ごしですか?
『蔵 頭』 です

今回の質問は?
Q:味噌の熟成で速醸法ってどんな方法ですか?
Q:天然醸造と速醸法の違いはなんですか?

みなさん味噌の熟成について興味があるみたいですので
今回からはそこについて話していきたいと思います



味噌の熟成は大きく分けて二つの方法があります
速醸法と天然醸造です
味噌は発酵食品です
発酵には適した温度がありまして
それは30℃~35℃です(米味噌は25℃~30℃)

そこで
蔵の中を一定温度に保つことにより原料成分の分解を速め
短期間で味噌を製造する方法が速醸法です

天然醸造はといいますと
空調設備を使わず加温や温度調節をしない自然な状態で
暑いときは暑く 寒い時は寒いままと
自然な気温変化で発酵熟成をおこなう醸造方法です

当社マスヅカ味噌は天然醸造をおこなっています

では
次回からは
天然醸造と速醸法何が違うのか?
メリットとデメリットは何なのかをお話ししますね
お楽しみに!!


2023年05月18日

蔵頭ブログ-36


暑い日が続きますが
いかがお過ごしですか?

『蔵 頭』 です

前回までは重石を乗せる理由や重要性について話してきました
今回は自宅で味噌づくりをしたら重石はどうしたらいいのかを話していきます

わたしたちも月に1回 味噌づくり教室を開いていますが
毎回多数の応募をいただいていますので
自宅で味噌づくりをしている方もいらっしゃるのだと思います
ではその時重石はどうするのか?

重石の重要性は今まで話してきました。
適当な大きさの石があればいいのですが
そんなに都合よくいくことは無いと思います



重量が味噌にかけられる石の代用ができればいいので
ビニール袋に塩や砂糖、米などを入れ上に乗せてもいいですし
これはあくまでビニール袋等で少量(10kg位まで)を作る場合に限りますが
基本的に空気に触れなければいいので
袋内の空気をしっかり抜いて口を輪ゴム等で空気が流入しないように縛ってください
ガスで袋が膨らんできたらガスを抜き、再度空気を抜いて縛ってください



これを熟成が終了するまで続けてください

これから暑くなり味噌になるのに適した気候になりますが
反面、腐敗なども同時に起きやすくなります
飲食物等の保存には充分注意してくださいね

それでは次回もお楽しみに!


2023年04月14日

蔵頭ブログ-35


暖かくなってきたと思ったら
もう日差しが暑くなってきましたね
いかかがお過ごしですか?
 『蔵 頭』 です
前回は重石を乗せる理由についてお話しましたが
今回もひき続き重石についてです



重石を乗せる主な理由としてはカビ防止です
味噌の表面に溜を出すことで空気と遮断されカビ防止になります。

では
乗せないとどうなるのか?
もちろん溜はできません
味噌が空気に触れ、カビたり酸化して風味が悪くなります

それともうひとつ
そのままにしておくと味噌の水分は下の方に下がります
水に溶け込んでいる塩分やアミノ酸等の旨味成分も共に下がり
桶の中で不均一になってしまいます
特に上の方の水分が抜け、カビの発生や酸化により
著しく風味が悪くなります

このようなことを防ぐためにも重石を乗せるという事がとても重要になるのです。

桶の中の全部を同じ味噌に仕上げる事は難しいですが
なるべく不均一にならないように、カビが発生しないようにするため
重石を乗せることになるので
私たちは安定しておいしい味噌をつくるためにも
大事に大事に重石を積んでいます

次回は
自宅で味噌を作る場合はどうするのか?などを話していこうと思っています。
それでは次回もお楽しみに!