2001年03月25日


諺で「箍(タガ)をしめる。」とか「箍が緩む。」と言われます。
蔵で使われている400本程の大桶も、仕込む前に漏れのないように、修繕します。
昔は、「桶屋さん」と言われる桶職人が、蔵から蔵へ移動しながら傷んだ桶を修繕したり、新しい箍をしめたりしていました。

 当時、蔵に来た桶屋さんの所へ行くと、箍用に使う竹を割る音が、「パリ、パリ、パリ。」と乾いた気持ちいい音がしていました。蔵の中、「渇。」でも入れるような音でした。

 現在は、桶職人は居なくなり、修繕は蔵人が行います。
竹箍(タケタガ)は出来なくなり、鉄箍(テツタガ)で修繕します。
この蔵もだんだん竹箍のある大桶が、修繕の度に鉄箍に変わっていきます。
少し、寂しい気分にもなりますが、大桶を長持ちさせるためには、仕方ありません。

 それでも、大桶は生き続けます。

「逢引の 場所は氏神 猫の恋。」
               辰