2022年12月27日

蔵頭ブログ-31


今年も残すこと数日になりましたが
いかがお過ごしですか
 『蔵 頭』 です
前回より 
よくある質問についてお話しています。
今後味噌をお使いになるときに何かの参考にしていただけたらと思います



では 今回の質問です
Q:桶・蔵ごとに味は変わりますか?
  味噌にとって環境にいい桶はどこですか?

A:当社には味噌蔵が15蔵あり、桶の数は大小合わせて400本もあります
  それだけたくさんの数があると出来上がりの味噌も同じものはできません。
  その辺りのことについてお話ししたいと思います

いつも食べていただいている味噌
毎回同じになるように工夫を凝らして製造しているのですが
同じ味噌が出来上がることはほぼありません。

そもそも原料である大豆は毎年出来栄えが違いますし
使用する時期によっても違いが出ます
収穫したときには柔らかいのですが月日がたてば乾燥して硬くなります
味噌は1年中仕込みをおこなっているため季節による仕込みの状態の違いがあります。

しかも私たちの味噌は天然醸造です
熟成している蔵の中はエアコンなどの空調設備はありません
夏は暑く、冬は寒い状態で熟成していきます
原料の大豆の状態も違っていますし、仕込む時期によっても変わってくるため
桶や蔵によっても味の変化は見られます

そんななかでもどこがいいのか
桶にとって熟成するのにいい場所はどこかといいますと
瓦屋根の蔵の方が直射日光の暑さを防ぐことができます
蔵の中でも道路沿いよりも中に入っていた方がいいですね
となると

見学に来られた人はわかると思いますが
当社の真ん中に位置する蔵に
2本並んだ桶 これが一番環境に適した桶になります

左の桶は
当社でわかっているだけで一番古い桶
元治2年 1865年
今から157年前に製造された桶です

右の桶は
今年春にもTV放送されました桶になります

この二つの桶の話は来年にも話していきたいと思います