2023年03月21日

蔵頭ブログ-34


少しずつ暖かくなってきました
皆さんいかがお過ごしですか?
 『蔵 頭』 です
これまではよくある質問の中でも
主に商品に関するものを載せてきましたが
今回からは製造に関しての質問に答えていきますので
よろしくお願いします



今回の質問は
味噌を仕込んだ後 なぜ重石を乗せるのですか?

写真や映像で桶の上に石がたくさん積んである光景を見たことが
あると思います。なぜ積むのかを解説していきたいと思います

味噌には苦手なものがあります。
陽の光と空気です
特に空気に触れるとカビたり、酸化して風味が悪くなります

そこで
重石の登場です
味噌の上に重石を乗せることにより
上から重さで圧力がかかります

味噌の上からすごい重さで押されることで
表面には溜と呼ばれる液体が染み出てきます

この溜が味噌の表面を覆い空気を遮断するのです

なんとなく石を積んでるわけではなくて
ちゃんと意味があるのです

次回は重石を積まなかったらどうなるのか?
自宅で味噌を作る場合はどうするのか?などを話していきます
それでは次回もお楽しみに!


2023年02月13日

蔵頭ブログ-33


少しずつ暖かくなってきました
皆さんいかがお過ごしですか?
 『蔵 頭』 です
昨年末のブログでふたつ並んだ桶の話をしました
今回はその二つ並んだ桶の右側の桶についてです



こちらの桶の造られた年は正確にはわからないのですが
おそらく100年近くは経過していると思われます
桶に入る味噌の量は約6トン
私たちが主に使っている桶が12トンなので
それに比べると半分くらいの大きさです

この桶は
今から約一年前にTV放送されました!!!(2022.3.26)

見られた方もいると思いますが
土曜の夕方放送されている
日本テレビの満点☆青空レストランです
この時取り上げられた食材が
私たちが大事にしている
トロ味噌でした

トロ味噌は
桶の中心部にあり1本の桶から5%ほどしか取れない
とても貴重な味噌です
この味噌はどの桶からも取れるわけではありません
原料や熟成の状態によりトロ味噌が取れない場合もあります
取れた時にしか商品にすることができないたいへん貴重な味噌なのです

そんな中
宮川大輔さんとこの回のゲスト
SnowManの渡辺さんと向井さんの二人が
この桶の中に入りトロ味噌を掘り出しました

TV放送された桶や
味のバランスが取れた貴重なトロ味噌を
見たり食べたりしていただければとおもいます。



さて2022年に仕込んだ
蔵頭醤油が仕上がりました
今回は原料にこだわり国産大豆を使用し
昨年までとは違った感じに出来上がりました

今月から販売を始めています
皆様にお買い求めいただければありがたいです

それでは
来月もよろしくお願いします


2023年01月21日

蔵頭ブログ-32


あけましておめでとうございます
 『蔵 頭』 です
今年もますづか味噌共々蔵頭ブログをよろしくお願いします



今回は昨年末のブログでも話をしました
二つの桶についてです

まずは左側の桶ですが
造られたのは元治二年
西暦1865年 今から158年前ということになります

坂本竜馬が暗殺されたのが1867年ですので
それより二年ほど前竜馬が日本中を駆け巡っていた時代です

何故?造られた時代がわかるかといいますと
桶は桶屋 桶職人さんが造ります。
職人たちは自分たちが造った証しとして年号や名前などを
桶に墨で印すことが多いのです
ただ墨ですので年数も経つと色あせて消えてしまうのですが
この桶は裏の底板に消えずに残っていました

元治二年の二月 
親方の清松さん
頭の松蔵さん
桶屋の友蔵さん
により造られていました

桶は中身が漏れてしまうと使用できなくなってしまいます
桶は木を重ねているため乾燥してくると隙間ができ漏れてしまうのです
それでは
桶を長く使うにはどうしたらいいか?
答えは
桶を使い続けることです

中に物がはいっている状態であれば保湿になり
桶の状態は保たれます
できあがったものを取り出しても、
乾燥する前に次のものを仕込んでいくことを
繰り返していくのです

ちなみにこの桶ですが
今でも現役で使用しています

これまでの間 様々な人々がこの桶に携わり
使ってくれたおかげで今も味噌造りができています

あと何年 使えるのかわかりませんが
僕たちにできることは使い続けること
160年前に造ってくれた人々
160年もの間使い続けた人々に日々感謝しながら
これからも大事に味噌づくりをしていきたいと思います

この桶に仕込んだ味噌ですが
今年の秋口には出来上がります
販売するときはお知らせしますので
是非 ご賞味いただければと思います

それでは次回もお楽しみに!


2022年12月27日

蔵頭ブログ-31


今年も残すこと数日になりましたが
いかがお過ごしですか
 『蔵 頭』 です
前回より 
よくある質問についてお話しています。
今後味噌をお使いになるときに何かの参考にしていただけたらと思います



では 今回の質問です
Q:桶・蔵ごとに味は変わりますか?
  味噌にとって環境にいい桶はどこですか?

A:当社には味噌蔵が15蔵あり、桶の数は大小合わせて400本もあります
  それだけたくさんの数があると出来上がりの味噌も同じものはできません。
  その辺りのことについてお話ししたいと思います

いつも食べていただいている味噌
毎回同じになるように工夫を凝らして製造しているのですが
同じ味噌が出来上がることはほぼありません。

そもそも原料である大豆は毎年出来栄えが違いますし
使用する時期によっても違いが出ます
収穫したときには柔らかいのですが月日がたてば乾燥して硬くなります
味噌は1年中仕込みをおこなっているため季節による仕込みの状態の違いがあります。

しかも私たちの味噌は天然醸造です
熟成している蔵の中はエアコンなどの空調設備はありません
夏は暑く、冬は寒い状態で熟成していきます
原料の大豆の状態も違っていますし、仕込む時期によっても変わってくるため
桶や蔵によっても味の変化は見られます

そんななかでもどこがいいのか
桶にとって熟成するのにいい場所はどこかといいますと
瓦屋根の蔵の方が直射日光の暑さを防ぐことができます
蔵の中でも道路沿いよりも中に入っていた方がいいですね
となると

見学に来られた人はわかると思いますが
当社の真ん中に位置する蔵に
2本並んだ桶 これが一番環境に適した桶になります

左の桶は
当社でわかっているだけで一番古い桶
元治2年 1865年
今から157年前に製造された桶です

右の桶は
今年春にもTV放送されました桶になります

この二つの桶の話は来年にも話していきたいと思います


2022年12月02日

蔵頭ブログ-30


今年も残り一か月になりました
みなさんいかがお過ごしですか
 『蔵 頭』 です
前回より 
よくある質問についてお話しています。
今後味噌を使用される時に何かの参考にしていただけたらと思います


では 今回の質問です
Q:豆味噌と米味噌 製造方法に違いはありますか?

A:この2種類の味噌 色の違いはありますがはたして製造方法に違いがあるのか?
解説していこうと思います

豆味噌と米味噌
大豆を発酵させるのに豆味噌は大豆に麴をつけた豆麹を使い
米味噌は米に麴をつけた米糀を使います
原料の部分で違いはありますが
大きく違うところは 大豆の蒸煮方法です

豆味噌は大豆を蒸します
それに対して
米味噌は大豆を煮ます

蒸すと煮るとの違いですが内容はまったく違うので解説しますね

豆味噌は色が赤褐色ですね
豆味噌は熟成期間が長いため色が濃くなるのですが
大豆は蒸すと色が赤くなるのです



米味噌の場合は色を赤くする必要がないため大豆を煮ます
色は白いままの状態です



ふたつを比べると栄養価的にも大きく異なります
豆味噌は蒸すため 栄養分が大豆の中に濃縮されますが
米味噌は煮るので栄養分が煮汁と一緒に流れ出てしまいます
このことからも豆味噌の栄養価が高いということになります

米味噌は煮た大豆に米糀、塩、水を加え混合します
豆味噌は蒸した大豆に麹菌を付け味噌玉にしたものに塩と水を加え混合します
その後、味噌は熟成に入ります
熟成期間は様々ですがこうして出来上がった味噌が商品になっていきます

それぞれ特徴を生かした味噌を味わってみてくださいね
それでは
次回もお楽しみに