2001年04月14日


桜も散り始め、春の初々しさから、
彼方此方(アチラコチラ)の家の鯉幟(コイノボリ)が気になります。

味噌は、秋から冬に多く使われますが、
長年蔵の中で生きてくると、「ふッ。」と思う事があります。
「本当は、初春から初夏が味噌の旬。」なんですョ。
底冷えのする冬の蔵を乗り越え、この時期の味噌は、
深みと、締まりのある味に育っているように感じます。
蔵人の戯言(たわごと)かも知れませんが・・・

 日々淡々と繰り返す作業ですが、
「一度として、同じ味の味噌はありません。」

「朧月 テレビは眠 狂四郎。」
              辰


2001年04月01日


最近の陽気で、春盛りです。
蔵の周りでは、土筆が顔を出し、菜の花は艶やかな黄色に染まり、そして小生の好きなしだれ桜も一斉に咲きました。
蔵の中、土の中から、木々から、あちらこちらで春は芽吹いています。
虫や蝶も小鳥たちも、目覚めのあくびをしているようです。
毎年同じ様に、春はやって来ます。

 小生、この時期好きな食べ物があります。
それは土筆で、別に、特別なものではありません。
ただ、摘んできた土筆の袴(はかま)を取り、蔵で出来た溜(醤油)と砂糖で炒めただけの
「田舎流甘露煮風土筆炒」とでも言いましょうか。
土筆、溜、砂糖の量は適当です。
勝手な好みで、小生は甘辛くします。
白いご飯(銀シャリ)と良く、合うんですョ。

 蔵で、春を感じます。

「行儀よく 土筆並びて 空広く。」 
                辰


2001年03月25日


諺で「箍(タガ)をしめる。」とか「箍が緩む。」と言われます。
蔵で使われている400本程の大桶も、仕込む前に漏れのないように、修繕します。
昔は、「桶屋さん」と言われる桶職人が、蔵から蔵へ移動しながら傷んだ桶を修繕したり、新しい箍をしめたりしていました。

 当時、蔵に来た桶屋さんの所へ行くと、箍用に使う竹を割る音が、「パリ、パリ、パリ。」と乾いた気持ちいい音がしていました。蔵の中、「渇。」でも入れるような音でした。

 現在は、桶職人は居なくなり、修繕は蔵人が行います。
竹箍(タケタガ)は出来なくなり、鉄箍(テツタガ)で修繕します。
この蔵もだんだん竹箍のある大桶が、修繕の度に鉄箍に変わっていきます。
少し、寂しい気分にもなりますが、大桶を長持ちさせるためには、仕方ありません。

 それでも、大桶は生き続けます。

「逢引の 場所は氏神 猫の恋。」
               辰


2001年03月14日


昨日の、強風が嘘のようなポカポカ陽気です。
「春一番」とこの時期の強風を言いますが、これで何回目の強風だったでしょう。
たしかに、強風の度に、春はやって来ています。

 蔵のそばの、畦道(あぜみち)で、春の日差しの中、タンポポを見つけました。
見逃してしまいそうですが、綺麗に咲いています。

 蔵のすぐ横には、浄土宗の「行福寺」という大きな山門のある寺があります。
その寺に、素敵な「しだれ桜」があり、小生にとって、どこの桜よりも好きな桜です。
決して、たくさんの見物人は来ませんが、蔵の昼休みに、食後の散歩には、最高です。
その「しだれ桜」も、つぼみが膨らみ、今年は多分最高の花を咲かしてくれるでしょう。
いまから、年甲斐もなく、うきうきします。

 いつまでも、こんな気持ちを持てる蔵で在りたいですね。

「酒好きは ポックリ逝くか 春の雷。」
                  辰


2001年03月12日


天気も最高で、小春日和です。
今日、名勤生協コープメイトの皆さんの見学がありました。
この蔵には、日々たくさんの見学の方々が来蔵されます。
毎回、是非に「味噌のことを理解して頂こう。」とご案内しています。

 蔵には、見学コースはありません。蔵人と同じところで同じ目線で、見たり、感じたりして頂いています。
最近、見学コースのある「見せる工場」とかが多くなりました。
でも、見せる工場には、見せられない所ができるのではないでしょうか。
我々のような蔵では、目線は常に、同じところに在るべきではないでしょうか。

 あるべきものが、あるように、飾らず、気取らず。
そんな、蔵があってもいいのではないでしょうか。

「ホワイトデー 薄き財布に 山笑う。」
                  辰