2001年01月10日


おめでとうさん。とうとう、21世紀です。
と言っても所詮、人間様が勝手に言っているだけですけど。
ともかく、無事に新しい年を迎えさせていただき、感謝申しあげます。

 味噌蔵には、敷地の中に、一体のお地蔵様と一基の庚申様が在ります。
蔵の中に在った旧道は、もう分からなくなりましたが、昔は村と岡崎(矢作)を結ぶ小さな街道だったそうです。その街道沿いに置かれていたお地蔵様と庚申様が世話をする人が無くなり、今は蔵で世話しているのです。
お地蔵さんの顔は、もう判りませんが、確かに、誰かが祀(まつ)ったんですよね。
どんな理由があったのでしょう? 誰も、分かりません。
人の歴史なんて、こんなものでしょう。
でも、そんな歴史を、誰知れず、我々が見守れるなんて幸せですよね。

「味噌蔵の 目貼をしかと 寒に入る。」 
                  辰


2000年12月30日



師走、20世紀も残すところあと二日です。蔵では、毎年恒例の大掃除です。
日ごろいろいろな作業に追われて、なかなか出来ない所までこの日は徹底的に行います。やはり、一つの区切りのようなものです。
でも、これが無いと、何と無く一年が終わりません。

一日を費やして、その後の、気持ち良さは
「一年間、働かさせていただき、どうも有り難うございました。」
と素直に言えますネ。

そして、また「来年も、よろしくお願いします。」と自然に口に出ます。

「酔うほどに 愚痴の出て来る 年忘れ。」 
                    辰


2000年12月20日


「はじめまして、辰です。」もうすぐ、21世紀です。
まさか、わしが21世紀まで生かして頂けるとは思いませんでした。
「南無阿弥陀仏。」合掌。

 今日から春まで、味噌蔵のお話をゆっくりしますので、まぁ、飽きずに聴いてやってください。どこまで皆さんに知ってもらえるか、不安一杯です。

 この辺りも、昔とは様子が変わり、だいぶ騒がしくなってきた。
ここに昔、日本海軍サンの飛行場があったなんて、夢物語かもしれんな。
その前は、狸の出る山の中。なんて愉快、愉快。でも事実なんだぁ。

「熟練の 味噌樽仕込む 寒の水。」 
                 辰


2000年12月14日


大豆の収穫です。やはり今年の大豆は、このあたりは不作でした。例年、一反(300坪)あたり8俵程度の収穫に対し、今年は5俵です。あの9月の大雨の影響で、結実のタイミングと重なりどうすることも出来ませんでした。水はけの良くない土地では、もっと悲惨で2俵という所もあります。その上、粒も小さいです。
春から大豆畑を、季節とともに眺めてきて、あらためて自然の優しさと、冷酷さを感じました。そして、「どうしようもないことは、どうしようもない。」という、百姓の強さを感じることができました。小さな豆から紫の可憐な花を付け、そして緑の枝豆、最後に枯れて種の保存のための大豆と、まるで我々の人生を見るようです。
我々は今、どこに居るのでしょう?                 終り。

「大銀杏 裸となりて 天を突く。」 
                  かま次郎

「かま次郎さんの大豆畑日記」はこれで終わりです。
長い間ありがとうございました。<(_ _)>
次回からは・・・「辰ちゃんの味噌蔵日記」が始まります!
よろしくお願いします!!


2000年12月05日

師走に入り、寒さも日々増しています。大豆畑は、収穫前です。まだ麦まきで、大豆の収穫は後回しです。今年の大豆の作柄はあまり良くないようです。やはり、 9月の大雨の影響だそうです。例年と比較して、収量も作柄も悪く、百姓の人々も落胆は隠せません。それでも、来年に向けて麦まきそして田起こしと愚痴るでもなく、農作業を進めます。そんな百姓の爪の垢でも、我々現代人は、頂くべきなのかもしれません。
遠望の村積山も、紅葉から枯れ山に変わりつつあります。

「くくられて 枯れ行く菊の重きなり。」
               かま次郎